2008年07月12日

「クライマーズ・ハイ」

今年はあまり映画を見る機会がないのですが、今日は久しぶりに映画館に行ってきました。
今日の映画は、先週公開された「クライマーズ・ハイ」です。
観客はだいたい30代から年配の方が多かったです。ネットのニュースにも載っていましたが、あの日の記憶がある年代が中心、ということですね。
以下、少々ネタバレ有かもしれませんので、ご注意ください。



以前テレビドラマにもなったこの作品、私もテレビ版は見ていました。原作は未読です。
テレビ版との最大の相違は、悠木の家庭環境ですね。テレビ版では家族が出てきましたが、映画では最初と最後に息子が出てくるのみです。なので、初めてこの作品に触れた人には、悠木と息子の関係性が若干わかりづらいかもしれません。映画の中でも、詳しい説明がないので。
それから、悠木の母親についての話は、テレビ版では出てこなかったように思います。
(どうでもいいけど、最初のシーンで息子が被っているタイガースのキャップは、あれは当時ものなのかな…?ちょっと違うように思ったんだけど)

テレビ版の悠木もよかったですが、個人的にはこの映画版の悠木のほうが私の好みには合ってたかな。堤真一さんの悠木は、新聞を作るということに対する姿勢が、よく出ていたように思ったので。家族とのシーンが無かった分だけ、映画版はそちらがより強調されていたのではないでしょうか。
ただ、安西とのシーンが少なかったので、安西がどんな人間なのか、悠木との関係はどんなものだったのか、その辺りがわかりづらいので、それは悠木という人物を描く上で、少々残念だったような気がします。

やはり新聞社内に置かれるポイントが高かったのか、テレビ版よりは新聞社内の人間関係は理解しやすいように感じましたね。登場人物が多いので、覚えきれるかどうかは別問題だけど(笑)。
佐山は、堺雅人さんのあの表情で演じられると、迫力がありましたねー!等々力は印象が強いです。あと整理部のふたりもいい味を出していました。
テレビ版には出てこなかった、女性記者の玉置も印象に残ったキャラクターです。

悠木の過去に関することで登場する、元秘書の黒田なんですが、こちらもテレビにはなかったキャラクターですね。けれど、先程も書きましたが、悠木の家族関係の描き方がどうも微妙だったので、このキャラクターも生かし切れたのかどうか。
若干、中途半端だったような感じです。社長もなー。テレビ版以上に変な人物になっていたのはいいとは思うんですが、変さのほうが強調されていて、結局のところどんな意味でのワンマン社長なのかは、ちょっとわかりにくいかもしれませんね。

公開前に紹介記事で読んでいましたが、事件発生時などのカメラワークは素晴らしかったですね。「ER」のような全方位型のカメラワークでしたが、それだけ迫力がありました。
事故発生時にニュースを読んでいた元フジテレビの露木アナウンサーが本当にニュースを読むと聞いていて、どんなだろう?と思っていたのですが、違うニュースだったので微妙に残念…。
最後のほう、悠木が社を飛び出すシーン、やられた!って感じでした。あの、被害者の方が書いた遺書は、この事故が語り継がれている間は、絶対に絶対に忘れられない一文だと、改めてそう思いました。

悠木が決断に踏み切れなかったこと。
この事故から四半世紀近くが経ち、すでに「歴史」となりつつあります。
「歴史」と思う立場からならば、ここで打っておけばよかったじゃないかという話ですが、渦中にいる時点ではその後の展開を予測するのは確かに難しかったでしょう。
「歴史」を考えるということは、「もし自分がその場にいたら」と想像することなんだと、今回この映画を見て、そんなことを思いました。
というのは、私も実は、この事故を正確にはオンタイムで知らないからです。そのことについては、以前の日記に書いてあります。
後から事故の詳細を知った者のひとりとして、あの日あの時誰もが感じたことを、後から想像するより他にありません。
ただ、それだからこそ、もし興味を持つ「歴史」があれば、それについて考えてみなければならないと思うのです。
この事故に限らず、「歴史」というものは。人間が歩んできた道なので。

それにしても、あの事故の現場は、よく作ったなあ、と。実際はもっと凄惨だったのでしょうが、映画内であれだけ作れれば凄いと思いました。

私の一番年下の友人は、既にこの事故のことを知らない若さです。
最初にも書きましたが、この映画の主な観客は事故を知っている世代だけれど、できたらそれ以外の、若い人たちにも見て欲しい映画だと思います。

posted by Mikkey at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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