2009年11月04日

「沈まぬ太陽」

昨日の文化の日。

近所の映画館に「沈まぬ太陽」を観に行ってきました。

ネタバレを含むことになるかと思いますので、もし感想を読んでやってもいいよ、と思われる方は、「続きを読む」をクリックしてみてください。


映画化に当たって、賛否両論二転三転あったこの作品。
あの長い原作を、どうやって映像化するのか、興味のあるところでした。
間にインターミッション(休憩)が入る、3時間の大作です。

まず驚いたのが、最初のシーンから日航機事故で始まったこと。
前編後編1時間半ずつと聞いていたので、てっきり休憩の前が後だろうと予想してたんですね。
ま、原作の順番的にそんな感じじゃないですか?

そして、事故当時の描写の間に、恩地の組合時代からカラチ・テヘラン・ナイロビの左遷人事の描写が入り混じる感じで、前編は進められていきます。

…偶然に決まってるんですが、先日から始まった同じ作者のドラマ「不毛地帯」もそういう手法で作られていますよね?
これ何?流行??

観客の立場からすると、時系列が入り乱れるてしまうと、それを追うのに精一杯で、キャラクターに思い入れがしづらくなってしまうんですよね。
今回の場合、テレビのスペシャルドラマだったら、アイキャッチのために事故を最初に持ってくることも効果があったでしょう。
しかし映画の場合は、観客は自分の意思を持って観に来ているわけで、別にそういった必然性はありません。

そんなわけで、原作を割り振ると、前半がアフリカ篇、後半が会長室篇、その隙間に御巣鷹山篇が差し込まれるという感じに構成されています。

この話の根幹は航空会社の内部事情なので、主眼でないといえばそうなんですが、やはり観客としては御巣鷹山篇をどのように描くか、ということが興味の最初に来ると思うんですよ。どうしても。おそらく観客の8割方が、あの日あの時何をしてた?ということを思い出しながら観ているんでしょうから。

だから、ちょっとバランスの悪い構成だったな、と思います。あとね、恩地が海外から東京に戻されて閑職に付かされている描写と、事故の第一報が入ったとき(その夜)の恩地含め会社側の描写がひとつもなかったのはどうなのかな?と…それを描くことで、その後の会長室篇がより効果的になったんじゃないか?と思うんですけどね。

その会長室篇、後半ほぼ丸々使って描かれますが…私はこの原作を部分部分でしか読んだことがないのでわからないんですが、原作でも政治家や会社役員たちは、あんな描写なんですかね?なんか、接待されてるだけの印象しかないんですけど(笑)。これもなー、観客は当時の政治家たちをよく覚えてる年齢層ばっかだと思うので…うーん。なんつーか、もうちょっと密室の権謀術数みたいなのを見せて欲しかったような…。

それから細かいところなんだけど気になったのは、行天の金の作り方。株主優待券を金券屋に売り飛ばすだけで、あんなに儲かるものなんですか?!そして、株主優待券て支店に置いてあるもんなの?束で持ってったけど、社判とかいらないの?!監査とかどうなってるの?!
このワンシーンだけで大混乱でした(笑)。原作はどうなんだろう…?
それから、松雪泰子さんの演じるスチュワーデスは、いったい事故当時何歳だったの?と。労組からちっとも老けてないじゃん!でも、最低40代ぐらいだよね??当時のあの会社の飛行機には、もうこのくらいの世代の女性はスチュワーデスとしてほとんど機乗してなかったと思うんだけど…。

このテの映画を観るとよくあることですが、やっぱり原作が読みたくなりました。
全体的には悪くないと思うんだけどなー。セットもすごかったし、役者もすごかったし(CGはちょっとしょぼかったけど)。
ただもう、構成が…!ひたすら構成の悪さが…!

素直に原作どおりに話を追っていけば、2時間2時間計4時間でも、観客は見たんじゃないかなー、と思ったりなんかして。
ところで、休憩時間10分て無理も無いけど、やっぱり少なすぎると思いました…せめて15分…。

そういえば、観客には原作をすでに読んでいる人も多かったみたいな。
休憩が終わるときに後ろを歩いてた小母様が、恩地の左遷先での場面について「原作ではもっとひどい意地悪されてたようなところがあったんだけど…」とぼやいていらっしゃいました。
確かにね。映画の中の左遷先は、どこが左遷?みたいな感じがなきにしもあらずでしたから(笑)。

てか、この時代の会社にはまだ、社員を左遷させるだけの力があったんだなというのと、左遷先の事務所を維持できるだけの力があったんだなと、少々切なくなったりもしたような。
今だったら恩地の左遷先の事務所なんて、事業縮小で真っ先に閉鎖されてるよね、きっと…。
posted by Mikkey at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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