2006年11月05日

舞姫

先月の末に出た「ダンスマガジン」12月号に、三浦雅士さんがエヴァ・エフドキモワにインタビューされている記事が掲載されています。

この記事に付けられている「もうひとつの音楽を奏でる 世界の檜舞台でロマンチック・バレエを踊り続けたバレリーナ」というキャプション、まさにエヴァを端的に表していると思いました。

現在すでに現役を引退し、バレリーナを目指す子供たちを教えているエヴァは、1990年代半ばまで、世界的に活躍したバレリーナです。国際的なダンサーというのは、正に彼女のことを言うのではないでしょうか。私が彼女のプロフィールを知ったのはバレエ公演のパンフレットでしたが、この人はいったいどこの国の人で、今はどこにいるの?と彼女が出ている公演を見ているにも関わらず、子供心ながらに思ったものです。

私は何回か彼女の舞台を見る機会に恵まれましたが、中でも忘れられないのが、1991年の世界バレエフェスティバルで、パリ・オペラ座のエトワールであるローラン・イレールと踊った「眠れる森の美女」のパ・ド・ドゥです。その前もその後も、何十回となくバレエを観ていますが、あのときほど「これがバレエだ」と心に強く思ったことはありません。あの10分間の、目も眩むような幸福感は、未だに強く印象に残り、忘れることができません。そのときのバレエ・フェスのガラコンサートで客席に向かって投げられたファンサービスの手拭い、私が受け取ったものにはエヴァのサインが入っていて、本当に嬉しかったことをよく覚えています。今でもそれは、私の宝物です。

そのエヴァがこの記事で語っていること、バレエを習い始めたころから、現在の状況まで、興味深く読みました。特に、今子供たちにバレエを教えることについての箇所は、彼女ならではのもので、今彼女に教えられる子供たちは幸せだな、と思います。

あの時代から現在まで、保守的な芸術ではあるバレエでも、確かに変革は起こっています。が、ロマンティック・バレエという観点から考えると、一観客としてはエヴァの世界を継いでくれるようなダンサーが生まれてくれたら嬉しいなと思います。エヴァの世界はエヴァのものだけれど、その源流を受け取って、新しく自分の世界を構築してくれるような。そんなバレリーナがこれから現れてくれたら、それはとても素敵なことでしょう。

私の手元には、1985年、エヴァがルドルフ・ヌレエフと踊った「ばらの精」のビデオがあります。私の手元にある唯一のエヴァのビデオですが、この記事を読んだら、他にもあるなら見てみたいと改めて思いました。一番見てみたいのは、思い出の「眠り」なんですけどね…。

タグ:バレエ
posted by Mikkey at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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