2007年06月23日

ドリーナバレエシリーズ

30代ぐらいの年齢の方で、小さい頃にバレエを習っていた、もしくはバレエに興味があった方なら、この本をご存知の方もいらっしゃるかと思います。

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「ドリーナバレエシリーズ」です。

イギリス郊外に祖父母と住む10歳の少女ドリーナは、小さい頃からバレエが大好きでしたが、祖母は習うことを断固として反対します。そこにはドリーナの両親に関係する深い理由があったのですが、ドリーナの懇願に負けて、とうとうバレエを習うことを許します。バレエに熱中したドリーナは、いずれはバレリーナになると心に決めましたが、祖父母は子供の頃だけの習い事として、ドリーナを失望させます。やがてロンドンに引っ越すことになったドリーナは、一旦バレエを辞めさせられてしまうのですが、なんとかしてもう一度バレエを習いたいと、努力を始めます…。

というのが、物語の序章。ここから、全10巻(日本語訳)に渡る、バレリーナを目指すドリーナの物語が繰り広げられます。

私がバレエを習っていた小学校低学年の頃、それならと図書館の司書の方に薦められたのが、この本でした。この時点では6巻までの刊行でしたが、さすがに低学年ではまだ話についていけず、記憶の底にしまいこまれることとなりました。

それから数年が経ち、ふとこの本のことを思い出した私は、やはり図書館の司書の方に尋ねてみました。このときには「ドリーナバレエシリーズ」というシリーズタイトルと本の装丁がクリーム色だったということしか覚えていなかったのですが、司書の方に骨折っていただいて、なんとか見つけることができました。このときに全10巻として刊行されていたことを知りました。

それから長い時間が経ちましたが、未だにこの本は私の第一の愛読書です。バレエ物語は数々読みましたが、この話以上の本を読んだことはありません。

その魅力は、なんといってもドリーナの生活振りが事細かに語られていることでしょう。バレエ学校でのレッスン、ウエストエンドへの舞台出演、バレエ団とともに踊ること…それに伴って、彼女が住んでいるロンドンの街、旅行先のイタリアやパリ、ニューヨークやスイスの描写が素晴らしく、ドリーナと一緒に旅行をしている気持ちになれました。学校の制服とか、少女小説らしく、ファッションの描写も細かくて素敵です。イギリス物なので、食事の描写だけはほとんどありませんが(苦笑)。

私の手元には9巻と10巻しかないのですが、大人になって揃えようとしたときには、すでに絶版で手に入りませんでした。そして、ネットをするようになって、初めて幻の「11巻」があることを知り…原書なので英語が読めるかどうか不安だったのですが、先日とうとう手に入れることができました。

11巻
Drina Ballerina.JPG

復刊ドットコムでも現時点で100票を超える希望が寄せられています。
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=1929

原書の古本は、AMAZONなどで日本語版よりも比較的楽に(価格も安く)手に入れることができますが、何しろ英語(苦笑)。
古い本なので、図書館にあるものも、そろそろ処分されている地域もあるようです。ウチの辺りもいつ処分されるか、びくびくしているのですが…。

その前に、復刊されることを、切実に願っています。


現在その11巻を読んでいるところなのですが、もし11巻がどんな話か知りたい方がいらっしゃいましたら、「続きを読む」をクリックしてみてください(^^)






10巻までは1960年代に刊行されていますが、11巻はなぜか1991年に初版が刊行されています。
http://www.fantasticfiction.co.uk/e/jean-estoril/

なので、10巻までと若干テイストに違いがあります。例えばジェニーの家にパソコンが導入されていたりとか、グラントのフラットにビデオデッキがあったりとか…。
そして、それまでの少女小説の作風と違い、大人向け(?)な話題も出てくるような感じです。
私のつたない英語力でどこまで読解できているのか、よくわからないのですが(^^;)箇条書きで並べてみます。

・10巻ラストから、約1年後。ドリーナはもうすぐ18歳になるというところです。
・ジェニーは無事に女の子を産みます。10巻で彼女の言ったとおり、名前は「メアリ・アンドリーナ」。夫のロバートは「メアリ・アン」と読んでいるようです。
・11巻の始まりは、ドリーナが生後2ヶ月のメアリ・アンドリーナに会いに、ウィラーバリを訪ねるところから始まります。
・その帰り道、ドリーナは自分とグラントの付き合いのことに思いを馳せ、自分が子供を産んだら、グラントは子供が好きかどうか、というようなことを考えます。10巻ラストから、いつの間にそんな付き合いになったんだ?と少々びっくり(笑)。
・そのグラントですが、ドリーナを迎えに駅までやってきます。ふたりはドリーナの住むフラットに行き(祖父母は留守でした)、夕食を取ります。ドリーナが作ったオムレツを差し出したとき、いきなりグラントがプロポーズ。ドリーナが料理を作った描写なんて初めて出てきたような気がしますが、そこでいきなりプロポーズってどうよ?(笑)。
・そういえばグラントは、ドリーナがバレエ団に入って最初の海外ツアー(ヨーロッパ内)に出たときに、週末ごとにドリーナを追っかけてその都市へ出かけていて、ドミニク・バレエ団のメンバーとはすっかり顔なじみだそうです。えー…(苦笑)。
・ドリーナはグラントのプロポーズを受けますが、とりあえず翌年の4月までの婚約ということで、話は落ち着きます。翌日ふたりは、グラントの昼休みにボンド・ストリートに婚約指輪を買いに行きます。エメラルドです。
・ドリーナの婚約は、ドミニクで友人たちの知るところとなりますが、イゴールが完全にドリーナに振られたこと、その直後にローズをデートに誘ったことで、ローズとドリーナの仲が気まずくなってしまいます。ローズはこの時点で、ジュディスとフラットを共同で借りて住んでいます。ドリーナの恵まれた境遇と、自分の境遇を少し考えてしまったローズでした。
・クイーンは(作中では「クイーニー」と呼ばれていました)、ドリーナやローズと仲良くしています。マーク・プレイフォードといい仲になっているようです。マークはイゴールの「唯一の友人」のように思われているようで…なんというか、そういう人柄?(笑)
・ドリーナはイゴール・ドミニク氏から、ドミニク・バレエ団で「ニューヨーク・ラプソディ」(9巻参照)を上演したいとオファーを受けます。
・「ニューヨーク・ラプソディ」は上演されることになり、イゴールとジャン・ウィリアムズがキャスティングされます。ドリーナとイゴールは良いパートナーシップが出来上がっていると周囲からみなされていて、それを見ているローズ、そしてグラントの気持ちは少々複雑になります。
・「ラプソディ」の稽古中、グラントはドリーナの母エリザベス・アイボリーにも、バレエのパートナーはいたのか、とドリーナに尋ねます。アイボリーとドリーナの状況が、まったく同じだからです(若くしてビジネスマンと結婚すること)。ドリーナは以前におばあさんから聞いた話として、ルイジ・コロティという半分イタリアの血が入っているダンサーと組んでいたと話します。ルイジとエリザベスは、エリザベス最後の舞台となった「ブルターニュの結婚式」で一緒に踊るのですが、エリザベスが事故で亡くなると、引退してしまいます。いつそんな話をしたんだ?と驚きました(笑)。
・ドリーナはこの作品を発表することで初めて「アンドリーナ・アダモ」という本名を使うことにします。「アイボリーの娘」はアイボリーを超えて自分自身を認めてもらいたいと思うのです。ドリーナはそのプレッシャーに苦しみます。グラントはその傍で「しばらくしたら『アンドリーナ・ロシター』になるんだから」と思ったりしています…まあ、そうなんですけど(笑)。
・ちなみにイゴールは「セバスチャン」というミドルネームを持っていたようで、父と区別をはっきりつけるために、バレエ団では「イゴール・セバスチャン」と名乗っています。
・そして困難を乗り越えて「ニューヨーク・ラプソディ」は見事に成功。ドリーナは母と比べられることなく、ひとりのダンサーとして認められることとなります。

…長くなりましたが、ここまでが第一章です。

第二章はドリーナが「ブルターニュの結婚式」を踊るエピソードが主となり、最後はグラントとの結婚式を終え、ハネムーンで出かけたニューヨークの街を歩くところで終わります。

あと細かいエピソードとしては…
・ドミニク・バレエ団にいるドリーナの同級生は、ローズとクイーンのほかに、イロンカとメリルがいます。他の子は名前が出てきませんでした。
・タミーナは「ニューヨーク・ラプソディ」を見に来たようです。
・ボロネーズ先生とドミニク先生は同じフラットの違う階に住んでいて、周囲からはなぜ結婚しないのか?と見られているけれど、ドミニク先生はプロポーズをしているものの、ボロネーズ先生がこのままでいいと思っているようだ、とかいう話が出てきます。ボロネーズ先生は若くしてフランス人と結婚して娘がいて、その娘はバレエ界で有名なダンサーになっているようです。
・ドリーナのイタリアのおばあさんの名前は「シグノーラ・アダモ」でした。
・ヨランダはニューヨーク・シティ・バレエ団にいます。
・グラントの両親がロンドンにやってきて、グラントの母とドリーナが「嫁姑」の会話を交わす場面があります…うーむ(苦笑)。
・キャサリン・コールビーの復帰は、もうしばらく掛かりそう。ピーター・バーノイズとの娘ペネロペは、ドミニクバレエ学校を受けることになったようです。
・クイーンとマークは、どうやらドイツに行くという話が…?

長くなりましたが、こんなところでしょうか?
全部読みきってはいないので、また読み終えたら記事をアップしようと思っています。ほぼ、「自分が話を忘れないため」メモです(笑)。

ざっと目を通した感じでは、11巻とはみ出している分、話が性急に進んでいるように思えます。細かいキャラクターまで拾っているので、そう感じるのかもしれませんが。
それにしても、あんなにあっさりとドリーナとグラントが結婚することになるとは、予想もつきませんでした。しかも18歳で…ちょっと早すぎるんじゃないかなー、いくらなんでも。しかも分譲でフラット購入しようとかしてるし…や、ふたりとも収入はたっぷりあるだろうから、別にいいんですけどね。でも、グラントがどんな仕事をしているのか、相変わらずわからない(笑)。個人的に、昔からドリーナはグラントのどこがいいんだろう?と思っていたんですけど、11巻を読んでますますその思いが強くなりました(笑)。

まあ結婚はともかくとしても、なんとなくドリーナのキャラ造型が違っているような気がします。大人になったからといえば、それまでなのでしょうが…英語で読んでるからかなあ…(関係ないか)。

これは本当に私の個人的な意見ですが、もしこのシリーズが復刊されたとしても、ひょっとしたらこの11巻はなくてもいいんじゃないか、と思います。特に少女小説…今だとライトノベルの範疇になるのかな…だとすると。話的にはどう見ても10巻ラストで終わるほうが、綺麗に収まっているので。
先程「嫁姑の会話」と書きましたが、グラントの母がドリーナたちがクリスマスにニューヨークを訪問することを勝手に決めようとして、グラントとドリーナが慌てて断るのですが(ドリーナは舞台があるし)、一旦引っ込んだグラントの母も「まあドリーナはすぐに仕事を辞めるだろうから」なんて思ったりしてるんですよ(笑)。あまり少女小説やライトノベルにふさわしくないような(笑)。私自身、このシリーズでそんなエピソードを読むとは!と驚くやら呆れるやら、でした(苦笑)。

冒頭にも書きましたが、10巻と11巻の間に四半世紀の時が流れています。なぜ11巻が出版されたのか、ということは、検索してみましたが不明でした。

参考までに、
ドリーナバレエシリーズの紹介ページ
http://www.bbc.co.uk/dna/hub/A989823
作者ジーン・エストリルのプロフィール
http://www.collectingbooksandmagazines.com/allan.html
どちらも英語のサイトです。



タグ:児童書 洋書
posted by Mikkey at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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